三日坊主日記

チェコ留学に関する事を飽きるまで続ける予定。つまり、飽きたらやめる。

ダメ人間、チェコのクラブへ行く

日本国外にいるというのに、友達も作らず、気分の赴くまま行動をしていていいのだろうか、とも思ったが、日本にいる時からそうだったのでこれは仕方が無い。元来、筆者は友人と行動を共にするというよりも単独行動を主としているのだ。そもそも授業も何も始まっていない段階から友達を作るようなリア充は滅びよ。友人というものは容易に手に入れてはいけない尊い存在なのである。

 

プラハのクラブは何でもありの無法地帯であると知らされたのは筆者がまだ留学を決める前ことだった。

欧米のクラブは未体験である故に、それが何を意味するのか、またいかなるものであるのか皆目検討がつかなかった。日本国外はともかく、クラブの深夜営業が問題視されている昨今の日本社会においては、クラブに行く層は極めて少数である。筆者もまた基本的にクラブへと足を運ぶ事の無い生活を日本で営んでいたのでクラブという媒体にあまり親しくないのだ。

 

とはいえ、面白そうなので、インターネットで検索し、適当な、近場のクラブをいくつかピックアップして向かう事にした。クラブに行くとなると極力、汗をかきたくないのだが、Tシャツを持ってくるのを忘れたせいでインナーに着ていたヒートテックシャツを一枚に、インナーにする予定で買ったウルトラライトダウンを羽織、いざクラブへ。と思いきや、入り口で今日はプライベートパーティーであるとまさかの入場拒否。ふぇぇ

 

翌日、性懲りも無く、再度クラブへの潜入を試みるべく、腹巻きと白シャツに着替え、新市街へと足を向ける。クラブへ行く前にベトナム料理屋でフォーを食べる。本当はラーメン二郎に行きたいのだが、プラハに二郎も家系ラーメン屋も無く、仕方ないのでフォーで代用する。入店し、注文をすると、どういうわけか、ベトナム人店主から「タイ人?」と尋ねられる。生まれて初めてタイ人と間違えられたが、自分の容姿のどこからもタイを感じさせられたことが無かったが、中欧における僕の顔はタイ顔に分類される顔なのだろうか。タイ顔に分類される顔とはいかなるものか、帰宅したらインターネットで検索をしなければならない、そう思った。フォーは95コルナだったので100コルナ(500円くらい)を出すと、店主は満面の笑みを浮かべありがとうといった。ちなみにおつりは返してくれなかった。

 

インターネットさんが教えてくれた新市街のクラブ「Redost FX」に、100コルナの入場料を支払い入店するも、土曜の23時を回っているにも関わらず客はまばらであった。どのような箱であるか下調べをあまりせずに行ったが、アメリカ人とイギリス人DJが回すイベントであるゆえ、それなりのクォリティは期待出来ると思った、それが大きな間違いだった。入店から退店まで、ひたすら黒人DJはオリエンタルなビートに黒人的な(ソウルというよりもレゲエに近い)ボーカルの曲をひたすらつないでいた。オリエンタルなビートに黒人的なボーカルとだけ聞くと悪くはない印象を抱くが、実際の音楽は工夫をしないasian dub fandationが頑張ってメインストリームの音楽に近づかせたとでもいおうか、とにかく興味が湧かない音楽だったが、フロアにいた黒人女性達はひたすら享楽へと身を投じていた。ラリっていたのだろうか。

 

このままここに滞在しても時間の浪費以外の何にもならないと判断したので、先日、入場拒否を食らった某「Retro Music Hall」再び足を向ける。今回はプライベートパーティーなどというリア充イベントは催されていないようで、入場フリーで入店出来た。ここは前のクラブとは打って変わって、フリーだからか老若男女入り乱れて踊り狂っていた。さすれば僕も踊り狂わん、とフロアに繰り出すも、どうもおかしいと周りを見渡すと、自分以外のほぼ全ての人が友人または恋人と来ていた。リア充はコミュ障と一緒に滅びよ。

 

ナンパ箱として機能しているのか、ナンパ目的と思われる男性客も多数いたので、彼らを観察すると、そこには3通りの方法があった。一つは手を取って一緒に踊る、いわばお遊戯戦法。これにより二人の仲は親密に☆ 二つ目は、後ろから、女性の腰に股間を押し付けて踊る。これはたまに海外の映画を見ていると行っている人がいる(気がする)が、実際にやっているのを見るとこれほど滑稽なことは無い。 そして最後が隣にいる相手の腰に手を回して密着しながら踊る。このどの手法を使ってもうまく行く姿が想像出来なかったので筆者はナンパゲームに参加しなかったが、序盤からひたすら三番目の戦法で攻めている小柄な白人もいた。ひたすらということは一度も成功しなかったことを意味するのだろう、筆者が帰宅する前まで続けていた。

 

フロアにいる客の10%程度が有色人種であったが、目立っていたのはジャッキーチェン似のアジア系男性(以下ジャッキー)くらいで他の存在感は皆無であった。酔拳のごとくフロアで舞っていたジャッキーはその存在感の強さからみんなの人気者!というよりも変なアジア人代表として視線を集めていた。

4時すぎ、疲れたので近くにあった椅子に座りビールを飲んでいたら、ジャッキーが話しかけてきた。ジャッキーは中国人ではなく、スウェーデン在住のモンゴル人だった。こちらには旅行で来ていたらしい。その後、どういうわけかジャッキーの友人(自称プラハ在住の会社員兼学生)に気に入られたのか、やたらと英語で話しかけられるも、彼が何を言っているのか半分程度しかわからなかった。以下ではそこで行われたいくつかのやりとりを抜粋する。

 

「日本人はモンゴル人についてどう考えている?」

 

解答:相撲が強い

 

「日本人男性はどうして顔が小さい」

 

解答:メデイアの中ではそうかもしれないが現実は違う。僕の顔は大きい

 

「日本人の髪型かっこいい」

 

解答:美容院に切り抜き持って行け

 

「チェコでセックスしたか?」

 

解答「してない」

 

「したかったら俺に連絡をしろ、200コルナ(だいたい1000円)で出来る。」

 

おそらく2000コルナと間違えたのだろうが、買う前提で話が進んでいた。お金無いと言ったら何故かビールおごってくれたが、そういう意味じゃない。おごるところを間違えているぞ。ジャッキーや、他のモンゴル人は既に席を外したというのに、なかなか僕を解放してくれなかったので、トイレに行くと席を立ち逃亡した。一応FBのアカウントは教えたがまだ申請は着ていない。続報を待て。

 

彼から逃亡し、再度フロアへ戻ると、何故かスペイン人観光客に韓国人をナンパしたいから通訳をしてくれと頼まれたが僕は韓国語を話せないし、そもそも該当の韓国人も英語を話せないという状況を打破すべく「he says サランヘヨ、サランヘヨ right?」などと改めて文字として表現すると偏差値38にも満たない表現を用いて意思疎通を図るも失笑以外の何も得られなかった。

 

午前6時前、足下に目をやると、そこには無数に散らばったグラスの破片と吸い殻でフロアは覆い尽くされていた。ここで転んだらどのようになるか、ふと考えるも、あまりにも危険な光景が脳裏をよぎったので、退散して帰路につく。

 

今日のハイライト

階段でゲロ吐いている女を見た白人男性に「あいつゲロはいてんな」のようなことをチェコ語で言われる